東京市場 ストラテジストが読む 見通し困難な鉄鋼株底入れ=藤戸則弘
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世界の鉄鋼株の調整が続いている。第一の要因は、中国が常識はずれの大増産を行っていることだ。2018年の粗鋼生産量を見ると、第1位の中国は9億2826万トンで、実に世界シェアの51・3%を占めている。その中国が、今年1~6月に4億9217万トンと過去最高を記録した。
トランプ米大統領の保護主義によって中国経済は減速しているが、特に最大の鋼板ユーザーである中国自動車業界では、今年1~7月の新車販売台数が前年同期比11・4%減と落ち込んでいる。どうも成長底上げのために、リーマン・ショック後と同様な「需要なき大増産」に走っている疑いが強い。中国の熱延鋼板価格は、昨年8月の高値から今年8月安値まで約16%下落している。「過剰在庫→ダンピング」の様相が濃厚だ。そして、中国の鋼材価格下落は、アジ…
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週刊エコノミスト
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