国際・政治

香港混乱、事態収拾には時間 中国は条例改正案撤回を黙殺=坂東賢治

条例改正案の遅すぎた撤回(林鄭月娥政長官)(Bloomberg)
条例改正案の遅すぎた撤回(林鄭月娥政長官)(Bloomberg)

 香港から中国への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案をめぐる香港の混乱が長期化し、約80日間に及んだ2014年の民主化デモ「雨傘運動」を上回った。林鄭月娥行政長官は9月4日、改正案の正式撤回を表明したが、香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』は社説(9月5日)で「和解に向けた一歩に過ぎない」と指摘した。事態収拾にはなお時間がかかるとの見方が支配的だ。

 香港では逃亡犯条例が改正されれば、香港市民も中国に引き渡されかねないと危機感が高まり、6月に主催者発表で100万人を超える大規模デモが2度実施された。林鄭氏は改正案を事実上、廃案にする意向を示したが、民主派は正式撤回を要求し、週末ごとにデモが続いてきた。

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