長期金利 上昇局面は一時停止へ=徳勝礼子
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9月初めにマイナス0・3%近辺まで低下した10年金利は反転し、マイナス0・2%まで上昇した。きっかけこそ米中貿易再開との報道であったが、長期的な金利低下傾向から大きく乖離(かいり)した後の反動という側面が大きい。また国際問題についても、英国の欧州連合(EU)離脱延期など、いったんの落ち着きが見られるが、あくまで小康状態であろう。
金利がこれまでの低下に対する反動という水準を超えて上昇するためには、景気指標の明確な改善が必要になると考える。例えば2016年末の金利上昇は明らかに景気改善という素地があった。しかし、直近では米ISM製造業景況感指数の50割れや弱めの雇用統計、独GDPのマイナス成長など、金利上昇の背景は整っていない。国内でもすべてが弱いわけではないが、工作機械受注の2桁下落が続くなど、決定的に弱い指標も見られる…
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週刊エコノミスト
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