週刊エコノミスト Online書評

世界史の中で再構成した日本近現代史を読む=井上寿一

     日本近現代史に関する本は書店にあふれている。それらの本を手にする動機も人それぞれである。ある人は自身の歴史観を補強してくれる本を探す。別の人は近隣諸国との「歴史戦」を戦う武器を手に入れようとする。多様な関心から読まれるのはけっこうなことである。それにしても研究者の立場からすると、首をかしげたくなる本も少なくない。それらの本は研究の進展に伴う新しい知見の裏付けに乏しい。

    最先端の研究に基づく信頼できる本はないのか。このような需要に応えるのが山内昌之・細谷雄一編著『日本近現代史講義』(中公新書、900円)である。本書は政治史・外交史を中心として、個別テーマにもっともふさわしい著者による分担執筆の形式をとっている。この形式は個別にはすぐれた知見を提供しても、全体としてばらばらな印象を与えることがある。本書は世界史のなかに日本近現代史を位置づける洗練された筆致の序章によ…

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