香港は「一日にして成らず」 代替不能な国際金融機能=曽根康雄
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中国の経済大国化、とくに21世紀に入ってからの高度経済成長と貿易・投資活動の飛躍的拡大に伴い、実体経済の面において、香港の相対的地位は低下した。
1995~2018年の24年間の実質国内総生産(GDP)成長率(年平均)は、香港の3・3%に対し、中国本土は9・1%を記録している。また、95年から18年までの24年間のマクロ経済データで中国本土に対する香港の比率の変化を見てみると、名目GDPは20%から3%へ、貿易総額は1・3倍から25%へ、外貨準備高は75%から14%へと、いずれも大きく低下している(表)。
コンテナ取扱量では、香港はかつて世界一を誇っていたが、すでに上海のみならず隣接する深センにも追い越された。空運についても、国際貨物取扱量では香港は依然世界一を維持しているものの、上海浦東空港が近年猛追している。実体経済の量的側面に関して言えば、中国本土に圧倒されている。
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週刊エコノミスト
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