迫る台湾総統選 潮目を変えた香港情勢の悪化 対中強硬の蔡英文氏に追い風=松本はる香
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2020年1月の台湾総統選挙に向け、民進党と国民党の一騎打ちの戦いの構図が固まった。総統再選を狙う現職の民進党の蔡英文氏に対するのは、国民党の韓国瑜氏(高雄市長)だ。鴻海(ホンハイ)精密工業の前会長の郭台銘(テリー・ゴウ)氏は、国民党内の予備選で敗北した後、今年9月12日に国民党を離党して、無所属で出馬する可能性をほのめかしていたものの、最終的には同月16日深夜、今回の総統選への出馬を見送ることを表明した。
台湾で蔡英文政権が誕生して以来、中国の習近平政権とは絶縁状態にある。元来、独立志向の強い民進党出身の蔡氏は、16年5月の総統就任以来、独立にも統一にも傾くことなく、中国と台湾の関係(中台関係)の「現状維持」を保ってきた。だが、蔡政権が「一つの中国」原則を受け入れていないことに強い不満を持つ中国は、中台当局間の実務協議や交流の停止を続けている。
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週刊エコノミスト
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