正念場の韓国経済 中国依存度の高さが裏目に 日本と重なる低成長への道=渡邉雄一
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今年に入って韓国経済の減速が止まらない。成長の源泉として景気の底割れを防いできた輸出が、足元では9カ月連続で前年比マイナスを記録している。対中依存度が依然として高い中で、中国向けが大きく減少し続けていることが主因である(図)。
輸出に先行あるいは連動する形で国内の設備投資も昨年から低迷しており、第1四半期(1~3月)には実質国内総生産(GDP)がマイナス成長(前期比0・4%減)となった。政府や韓国銀行による今年の経済成長率の見通しは年初より下方修正が続いていて、このままいけば2%前後まで落ち込む見通しである。
貿易や投資面での対中国傾斜の増大は、かつては韓国経済に大きな成長の果実をもたらしてきた。しかし、中国の成長鈍化に加え米中貿易摩擦の激化が重なった現在では、中国頼みの成長戦略は完全に裏目に出ている。
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週刊エコノミスト
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