LNG先物上場のインパクト 米国に移る価格主導権=岩間剛一
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米商品先物取引所大手のCMEグループは9月4日、米国産LNG(液化天然ガス)の先物取引を、10月14日から上場すると発表した。LNG価格はこれまで輸出国が主導権を握り、莫大(ばくだい)な収入を得る源泉となっていたが、今後は米国に主導権が移る可能性が高い。世界最大のLNG輸入国である日本にとっても、LNG生産企業の利幅縮小などさまざまな余波が及ぶとみられる。
今回上場するLNG先物は、米LNG大手シェニエール・エナジーが、テキサス州とルイジアナ州の境界に持つ米国本土初のLNG輸出基地であるサビーン・パスLNGの現物と組み合わせ、先物取引の決済期日に受け渡しできるように商品設計していることが大きな特徴だ。すでに、ロンドンのICE(インターコンチネンタル取引所)が2012年、LNG先物を上場しているが、現物の受け渡しは伴っていない。
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週刊エコノミスト
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