週刊エコノミスト Online書評

類例ない特異な中国史 農村の目線から読解=加藤徹

     建国70年を迎えた中国は今も「二元社会」である。中国の中には都市部と農村部という二つの国がある。浜口允子(のぶこ)『現代中国 都市と農村の70年』(左右社、放送大学叢書、1800円)は、複雑で特異な中国の現代史を農村の目線から読み解く。

     著者は中国近現代史の専門家で、放送大学名誉教授。日中国交正常化直前の1972年9月、西安郊外の農村を訪ね、衝撃を受けた。人民公社の畑の作物や果樹はよくできているのに、農民の生活はあまりにも貧しい。資本家による収奪がないはずの社会主義国で、なぜ農民はかくも不遇なのか。以来、著者は半世紀以上にわたり農村を調査してきた。

     建国直後の中国は貧しくて弱い農業国だった。米ソ冷戦の中で独立を守るため、社会主義化を急進した。

    残り587文字(全文913文字)

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