長期金利 0%に近づく=徳勝礼子
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10年国債入札は10、11月と連続して軟調に終わり、金利はマイナス0・1%を上回った。10月の利下げが確実視されていた米連邦準備制度理事会(FRB)とは対照的に、日銀の利下げ可能性に対する市場の見方は分かれていた。日本の10年金利が上下に振れる展開の後、米中貿易問題の好転などを受けて日銀の利下げ期待が剥落するスピードは速かった。
今回の10年金利の上昇が、10年より満期の長い年限と比べて、はるかに顕著だったことは興味深い。一つには超長期債は利下げ期待からは直接の影響は受けないということもある。加えて10年超の金利水準がプラスであることで資金調達コストである「レポ・レート」に対して、既にプラスの利ざやが確保されている。このため金利上昇が抑制されやすい傾向が改めて確認されたように思われる。
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