週刊エコノミスト Online 2040年の社会保障を考える
支給開始年齢「自動調整」は導入済み?=小黒一正
有料記事
厚生労働省では社会保障審議会において、公的年金の受給開始年齢を75歳まで選択可能とする制度改革案を検討中であり、年内に議論をまとめ、2020年の通常国会に改正法案の提出を目指している。
支給開始年齢を75歳まで選択可能とする制度改革や、支給開始年齢の引き上げは極めて重要である。そもそも、公的年金財政の持続可能性を高めるための主な政策手段は二つしかない。一つは負担の引き上げであり、もう一つは給付の削減である。このうち、負担の引き上げは、保険料の引き上げのほか、消費増税などで投入する公費を拡大する方法がある。
また、給付の削減は、毎月の年金額を実質的にカットする方法のほか、年金の支給開始年齢を引き上げる方法などがある。
残り2767文字(全文3079文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める