新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online FOCUS2019

NEWS 追悼 中曽根康弘元首相 現実政治貫徹する非戦の実務家 政権支えた厚い戦争経験者人脈=倉重篤郎

首相官邸中庭で、記念撮影に臨む中曽根康弘首相と閣僚たち(1982〈昭和57〉年11月)
首相官邸中庭で、記念撮影に臨む中曽根康弘首相と閣僚たち(1982〈昭和57〉年11月)

 中曽根康弘政権は、右翼タカ派と言われたが、実はあの戦争の教訓をリアルポリティクス(現実政治)に生かした非戦実務派政権ではなかったか。そう振り返るのは、政権を支えた分厚い戦争経験者人脈とその政策による。

 中曽根自身が、海軍短期現役士官(短現)出身で、南洋での敵艦との戦闘で多くの部下を戦死させている。政権周辺に短現出身者を側近、助言役として集めた。赤沢璋一(日本貿易振興会会長)、中川幸次(野村総研会長)、五島昇(日商会頭)、早川崇(厚生相)らだ。

 政権の女房役・官房長官であった後藤田正晴は、台湾で敗戦を迎え、強い軍隊不信を抱いた。1987年10月にペルシャ湾岸に海自機雷掃海艇を派遣する構想が浮上した際、「蟻の一穴」論で身体を張ってつぶしたのは有名な話だ。

残り958文字(全文1288文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事