週刊エコノミスト OnlineFOCUS2019

NEWS 追悼 中曽根康弘元首相 現実政治貫徹する非戦の実務家 政権支えた厚い戦争経験者人脈=倉重篤郎

首相官邸中庭で、記念撮影に臨む中曽根康弘首相と閣僚たち(1982〈昭和57〉年11月)
首相官邸中庭で、記念撮影に臨む中曽根康弘首相と閣僚たち(1982〈昭和57〉年11月)

 中曽根康弘政権は、右翼タカ派と言われたが、実はあの戦争の教訓をリアルポリティクス(現実政治)に生かした非戦実務派政権ではなかったか。そう振り返るのは、政権を支えた分厚い戦争経験者人脈とその政策による。

 中曽根自身が、海軍短期現役士官(短現)出身で、南洋での敵艦との戦闘で多くの部下を戦死させている。政権周辺に短現出身者を側近、助言役として集めた。赤沢璋一(日本貿易振興会会長)、中川幸次(野村総研会長)、五島昇(日商会頭)、早川崇(厚生相)らだ。

 政権の女房役・官房長官であった後藤田正晴は、台湾で敗戦を迎え、強い軍隊不信を抱いた。1987年10月にペルシャ湾岸に海自機雷掃海艇を派遣する構想が浮上した際、「蟻の一穴」論で身体を張ってつぶしたのは有名な話だ。

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