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NEWS 造船再編 今治造船とJMUが提携 韓中に後れをとる危機感=編集部

(出所)国土交通省資料を基に編集部作成
(出所)国土交通省資料を基に編集部作成

 今治造船とジャパンマリンユナイテッド(JMU)が資本および業務提携で合意した。造船業界で国内1位と2位が手を組む。

 日本の造船業界は現在、韓国・中国に大きく後れをとっている。そして韓国、中国では大企業同士の統合が進んでいる。

 韓国ではグループ別造船竣工量1位の現代重工業が同3位の大宇造船海洋の買収を5月に決定。現在、統合作業を進めている。また、中国では同2位の中国船舶工業集団(CSSC)と同4位の中国船舶重工業団(CSIC)が11月に経営統合し、新会社「中国船舶集団」が誕生した。統合後シェアは現代重工業が21%、中国船舶集団が17%。これに対して日本は首位の今治造船が8%にとどまる。

 造船業界はコストの大半を材料費が占め、規模を確保することが重要となる。事業規模が大きく購買力が高い企業ほど価格交渉を優位に進められ、競争力は高くなる。今治造船とJMUのシェアを合算しても10%で、韓国・中国との差は大きい。「協業しなければさらに後れをとるという危機感が今回の提携の背景にある」(業界関係者)という。

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