東京市場 ストラテジストが読む 欧米資本と連携の国内医薬に注目=藤戸則弘
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医薬品セクターの株価は、昨年に続いて堅調である。現在の業界の焦点は、制がん剤や難病治療薬といった高付加価値製品だ。ただし、制がん剤は容易に製薬化できるものではなく、膨大な研究開発費と多大な時間を要する。
また、優秀な研究者の好待遇による確保も大きなポイントであり、結局資本力の勝負となる側面が強い。世界の巨大製薬企業の売上高ランキングを見ると、首位ロシュ(スイス)580億ドル、2位ファイザー(米)536億ドル、3位ノバルティス(スイス)519億ドル、4位メルク(米)423億ドルなど、欧米の巨大企業が並んでいる(2018年12月末時点)。
日本の製薬大手とはいっても、世界比較では中堅・中小企業に過ぎないのが実態だ。新薬開発競争となった場合には、欧米勢への劣後は避けられない。したがって、日本の製薬企業は知恵を絞って、これらの欧米巨大企業の傘下に入るか、新薬の共同開発といった新しいスキームで対処せざるを得ない。
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週刊エコノミスト
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