データで見る石油市場 「脱石油」も中東の重要性は不変=白鳥達哉
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年初の米イランの軍事衝突により原油価格が急騰したが、すぐに落ち着いた。
有事の際でも原油価格が動かなくなっているのは、エネルギー市場における重要度が低下しているためだ。1次エネルギー(石油、石炭、原子力など自然界から得られた変換・加工していないエネルギー)消費量に占める石油の割合は1973年にピークの49%を付けた。しかし、石油危機を経て先進国で脱石油が進み、2013年のシェールオイル革命の影響もあって、18年は33.6%に低下している(図1)。
主要国における石油の依存度を見ても、脱石油が進んでいる(図2)。日本は他国と比べても特に石油への依存度が高かったが、石炭と原子力への依存度が上がる中で相対的に低下。11年の東日本大震災の影響で一時的に大きく上がったが、その後は再生可能エネルギーの台頭もあって減少が続いており、近年は北米や英国と同程度の水準まで下がっている。
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週刊エコノミスト
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