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教養・歴史書評

『組織の経済学』 評者・土居丈朗

著者 伊藤秀史(早稲田大学教授) 小林創(関西大学教授) 宮原泰之(神戸大学教授) 有斐閣 3200円

企業の内部に生じる課題をゲーム理論をベースに分析

 経済学は、市場取引を分析する学問である。しかし、世の中の経済取引の大半は、不特定多数の参加者によって構成される市場取引ではなく、企業と企業、企業と個人との間での相対取引である。もちろん、経済学は世の中の経済取引を市場取引と擬してその特質をあぶり出すのだが、企業組織はブラックボックスになりがちである。

 本書のタイトルにもある「組織の経済学」は、まさに企業組織に焦点を当てた経済学の応用分野である。組織の経済学の主要な二つの目的は、企業の内部組織の特徴や機能を明らかにすることと、企業と市場を異なる資源配分の仕組み・制度として位置づけて比較分析することとされる。そのうち、本書は前者の目的を中心に解説している。経済学を学ぶ者だけでなく、企業組織を動かす原理やそのあり方に関心のある人にもとても有用な書で…

残り778文字(全文1204文字)

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