東京市場 ストラテジストが読む 中国との緊密度で取捨選択=藤戸則弘
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新型コロナウイルスの感染者は急速に拡大しており、中国では湖北省を中心に経済活動が停止している地域が少なくない。政府系シンクタンクである中国社会科学院のエコノミストは、「2020年1~3月期の実質国内総生産(GDP)成長率が5%を下回るリスクがある」と述べている。02年11月~03年7月に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の場合、中国の小売売上高が下限をつけたのが03年5月、香港ハンセン指数が底入れしたのが同年4月であり、経済・株価ともに約半年間、下方圧力を受けた。過去の事例を考えると、日本株投資においても、中国経済との緊密度を業種・銘柄の取捨選択で重視せざるを得ない。
まず注目できるのは、内需中心のIT・ソフトウエアである。フィンテック(金融とITの融合)、AI(人工知能)、5G(第5世代移動通信システム)、クラウド化などソフト需要は急拡大しており、米国ではマイクロソフトが史上最高値を更新している。日本でも富士通、野村総合研究所などが好決算で、株価も高値を更新。好調な米IT株と連動するように、求人検索サイト運営の米インディードを傘下に置く人材サービスのリクルー…
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週刊エコノミスト
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