長期金利 マイナス幅は縮小へ=徳勝礼子
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新型肺炎に伴う景気後退懸念で、米10年国債利回りが1・5%という昨年の最低値まで低下したことに伴い、日本の10年国債利回りもマイナス0・075%まで急低下した。ただ、昨年、日米の長期金利が低下した要因は米中摩擦という構造問題であり、新型肺炎とは性質が異なる。今回、日本の長期金利がマイナス圏で深掘りされたのは、心理的な要因が極めて大きかったと言えるだろう。
しかし、今後は日米の長期金利の連動度合いは基本的に弱まっていくものと思われる。日米の短期金利の動きを見ると何らかの世界的なショックがあった場合、米連邦準備制度理事会(FRB)については実際に利下げで対応するという見方が強まりやすいのに対し、日銀は昨年、実際に緩和を行わなかったことから緩和期待が形成されにくくなっている。また、長期国債入札は今年1月までの軟調傾向と比べると多少改善した程度で終わり、…
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週刊エコノミスト
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