不動産 地方で在庫拡大、バブル化も=安田明宏
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中国の不動産市場は今のところ落ち着いた情勢が続いている。2016年から17年にかけて住宅価格が高騰したことを受け、中国政府が「住宅は住むもので投機の対象ではない」とする強いメッセージを発した結果、需要は抑制され、全体的な価格安定につながっている。
ただ、中国は広く、都市ごとに不動産市場の置かれた状況は異なる。中央政府の意に反して不動産緩和策を打ち出している地方都市も見られる。こうした地方政府の動きは、今のところ黙認されているようだ。中国政府は抑制策を継続すると明言しており、ブレーキとアクセルを微調整しながら需給と価格の全体バランスをとる難しい局面が続いている。
中国では「つくれば売れる」不動産市場を政府がいかにコントロールするかが重要だったが、経済成長が減速する中、従来の考え方を踏襲し続けるのは難しい。一部の地方都市では、すでに住宅在庫が積み上がっており、「つくったが売れない」事態が生じている。
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週刊エコノミスト
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