経済・企業 2040年の社会保障を考える
「出生数急減」への対応策を早急に=加藤久和
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2019年の出生数は86・4万人、という衝撃的なニュースが昨年末に厚生労働省から発表された。17年に国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が公表した将来人口推計(出生・死亡とも中位仮定)では、出生数が86万人程度となるのは23年とされていたことを考慮すると、昨年の出生数は4年も前倒しの水準であった。
出生数は16年に100万人を割り込むなど急減しているが、合計特殊出生率(TFR=1人の女性が15歳から49歳の間に産む子供の数の推計値)は15年の1・45から17年に1・42とやや低下したものの出生数ほどの急減ではない。出生率があまり低下していないにもかかわらず、出生数が急減している背景には出産適齢期の20~49歳の女性人口の減少がある。同階層の人口は10年の2426万人から19年は2226万人…
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週刊エコノミスト
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