東京市場 ストラテジストが読む 金利が一段と低下、銀行株厳しい=藤戸則弘
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米連邦準備制度理事会(FRB)は3月3日(現地時間)、政策金利を0・5%引き下げる緊急利下げを実施した。それだけ、新型コロナウイルスの経済、企業業績への悪影響を憂慮したものと思われる。この動きはFRBにとどまらず、各国中央銀行が一斉に協調的緩和策を発動する可能性が高い。
日銀の政策裁量余地は狭小化しているが、一段の緩和策を迫られる局面があるだろう。こうした世界的な緩和策を背景に、10年国債利回りが消失する事態が鮮明化。日本、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、スイスはマイナス金利で、米国も初めて1%割れとなった。
この超低金利が株式投資の下支え要因になるのは事実だ。しかし、世界の金融株は、金利の消失によって本来的な融資業務で利ざやを稼ぐのが困難となり、株価低迷が続く。欧州銀行株は、収益・財務状況の悪化もあって株価の低迷が顕著だ。
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週刊エコノミスト
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