2020年NY金相場予測 年後半には下落する場面も=芥田知至
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高値 1800ドル 安値 1550ドル
2月末、世界的な金融市場の混乱を背景に投資家心理が冷え込む中、慌てて現金を確保しようという「狼狽(ろうばい)売り」が、安全資産とされる金(ゴールド)にも波及し、相場は5%近く急落した。それでも、新型肺炎の感染拡大への懸念が相場を押し上げる状況は継続しよう。感染拡大に伴うリスク回避は2月上旬に一服する場面もあった。しかし下旬には、中国以外にも広がる感染への懸念が強まった結果、相場は1トロイオンス=1690ドル超まで上昇した。
米国でも感染拡大や経済への悪影響が懸念され、3月3日に米連邦準備制度理事会(FRB)は緊急利下げを行った。その後、さらに追加利下げ観測が強まり、相場は1700ドルを上回った。年央にかけて追加利下げが行われると、市場に潤沢なマネーが供給され、1800ドル程度の高値をつけるだろう。金の代替資産である米国債の利回り低下や株価の下落、中東の地政学リスクも支援材料になる。荒れた金融環境の中で強かったドルが…
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週刊エコノミスト
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