何が起きるか/6 欧州経済危機 “リーマン”超す打撃で景気後退 連帯・協調を欠く…=伊藤さゆり
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“リーマン”超す打撃で景気後退 連帯・協調を欠くEUに亀裂も
欧州では2018年以降、弱い経済成長が続いてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を引き金とする急激かつ深い景気の後退が避けられない見通しとなった。
後遺症は中国より深刻か
新型コロナウイルスの問題が生じる前から、中国の景気減速や米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱、EUの環境規制の厳格化などの複合要因で、欧州の輸出、製造業は失速していた。それでも、内需とサービス業は堅調で、全体としては緩やかに拡大していた。フランスやスペインが潜在成長率並みのペースで拡大し、輸出と製造業への依存度が高いドイツとイタリアの不振を補ってきた(図)。
新型コロナウイルスは、主に中国の問題であった2月中旬の段階でも、弱い欧州経済の勢いを削(そ)ぐ恐れはあったが、域内における感染の拡大で状況は一変した。欧州各国が次々と内需とサービス業に急ブレーキを掛けるロックダウン(外出制限や生活必需品以外の店舗の閉鎖などの封鎖措置)による対応を迫られたからだ。
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週刊エコノミスト
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