国際・政治コロナで急変 世界経済入門

何が起きるか/3 トランプ続投危うし 景気後退は致命傷 岩盤支持層を揺るがす=安井明彦

    新型コロナウイルス発生は大きな誤算だった (Bloomberg)
    新型コロナウイルス発生は大きな誤算だった (Bloomberg)

     11月3日に投開票が行われる米国の大統領選挙は、再選を目指すトランプ大統領に有利とみられてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で行方が怪しくなった。感染拡大は二つの点でトランプ続投への逆風になる。

     第一に「景気の減速」だ。トランプ大統領は好景気を追い風に再選を実現しようとしてきたため、景気が大きく落ち込めば戦略は成り立たない。歴史的に米国の大統領選挙は現職に有利だが、任期3年目以降に景気後退を経験した大統領に限ると、再選に成功した割合は2割強に過ぎない。トランプ大統領は感染拡大の影響を最小限に抑え、年後半の急回復を期待するほかない。

     第二に「医療問題への関心の高まり」である。新型ウイルスの人的被害が広がれば、医療行政への批判が高まるのは必至である。ただでさえ医療政策は、トランプ大統領の政策の中でも有権者からの支持が低い分野だ。2018年の議会中間選挙では、医療を争点化する民主党の戦略が奏功し、共和党の大敗につながった経緯がある。

     鍵を握るのは、根強いトランプ支持者の動向だ。トランプ大統領の支持率は、就任から4年目を迎えた今年も、おおむね40%台で推移してきた。歴代大統領と比べれば見劣りするが、16年の大統領選挙で勝利した際も、同程度の支持率だった。この水準が維持できれば、前回の大統領選挙と同様に、トランプ大統領の僅差での勝利が視野に入る。

    残り746文字(全文1325文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    6月16日号

    コロナデフレの恐怖14 サービス業に「デフレの波」 失業増で負のスパイラルも ■桑子 かつ代/市川 明代17 市場に問われる開示姿勢 ■井出 真吾18 図解デフレ大国ニッポン ■編集部19 デフレ圧力は過去にない水準に ■永浜 利広20 コロナで「上がった下がった」ランキング ■編集部21 インタビ [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット