デルタ航空 米航空大手、コロナウイルス直撃=清水憲人/283
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◆Delta Air Lines
デルタ航空の前身は1925年に米国ジョージア州メイコンで創業されたハフ・デイランド・ダスター社。当時米国では、綿の実を食い散らす害虫ワタミゾウムシが大きな問題になっており、その駆除のために殺虫剤を空から散布するために設立された航空会社だった。そのプロジェクトに、昆虫学の専門家として参画していたのがデルタの創業者となるコレット・エバーマン・ウールマン。28年に投資家を募って同社を買い取り、社名を「デルタ・エア・サービス」とした。「デルタ」の名称は、当時のサービス提供地域が、主としてミシシッピ川河口のデルタ地域であったことに由来する。
29年に旅客事業に参入し、45年に社名を「デルタ航空」に変更。46年には貨物機の定期運航も開始した。53年にはシカゴ・サザン航空を買収しカリブ海地域への国際線事業に進出。さらに、72年にニューイングランド地域に基盤を持つノースイースト航空、87年に米国西部地域に強いウエスタン航空を買収するなどし、米国内の大手航空会社に成長していった。91年になると経営破綻したパンアメリカン航空(パンナム)から欧…
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週刊エコノミスト
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