「税理士の憂うつ」 相次ぐ「うっかりミス」 巨額賠償におびえる税理士=宮口貴志
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4年前、ある裁判の判決が会計事務所業界を震撼(しんかん)させた。相続税対策を相談した税理士法人が課税リスクの説明を怠って多額の税負担が生じたとして、元顧問先の不動産会社が税理士法人に約3億2900万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁が2016年5月、全額支払いを命じ、税理士法人が全面敗訴したのだ。
判決によると、税理士法人は不動産会社前代表(故人)の相続税対策として、前代表が自らの会社に貸し付けていた約11億円の債権を株式化して資産を圧縮する手法(デット・エクイティ・スワップ、DES)を提案。一定の条件をクリアしていれば、節税効果が高いものの、クリアしていなければ会社に多額の法人所得(債務消滅益)が生じ、節税にならないことを説明せず、結果的に本来支払う必要がなかった法人税など約2億9000…
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週刊エコノミスト
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