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週刊エコノミスト Online 新型コロナの猛威

新型コロナによる「宿泊・運輸・小売業の連鎖倒産」危機は「アベノミクスなど世界的金融緩和」によって悪化!=立沢賢一(元HSBC証券会社社長、京都橘大学客員教授、実業家)

新型コロナウイルス肺炎が大流行する前から、世界的金融緩和政策で米国の格付けがトリプルB格に満たない投資不適格の低格付け債市場には、カネ余りで運用先に困った投資マネーが大量に流入し、市場規模が急拡大していました。

2019年の低格付け債の発行額は11月末で約4400億ドル(約48兆円)。10年で2倍となっており、過去最高だった17年(4900億ドル)を超える程です。

膨張する低格付け債の買い手は保険会社や銀行などの金融機関で、今回のような金融市場暴落の中、企業のデフォルトの波が押し寄せれば世界の金融システムに打撃を与えかねません。

低格付け債の中でも値下がりが目立つのがトリプルC格社債です。S&PはトリプルC格を将来2分の1の確率で債務不履行に陥ると定義しています。トリプルC格以下の社債の平均的な利回り水準を示す指数は悪化が目立っています。

債券利回りから鑑みて、比較的格付けの低い、ホテル・レジャー、運輸、小売り業がディフォルトする可能性は刻々と高くなっています。

1億人もの雇用者の内どれだけの人数が雇用を失い、また再就職できるのかは不確定です。現在。ほぼ全産業で負の経済的インパクトを受けていますから、決して先行きは明るく見積もれないでしょう。

立沢賢一(たつざわ・けんいち)

元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。

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