140社が業績下方修正 売上高・利益1兆円消失=増田和史
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中国・武漢市で事実上の封鎖が始まった1月23日から3月29日までに、業績を下方修正した国内上場企業は140社に達した。業績修正のマイナス幅を合算すると、売上高で1兆2095億円、最終利益は1兆1926億円が消えた。
業種別にみると140社のうち、半数の70社を占めるのが製造業。春節休暇以降、中国国内における工場の操業停止や渡航制限などで製造現場が混乱した。中国を生産拠点としてきたメーカーが打撃を受けたほか、サプライチェーンの乱れによる部品等の調達難により、日本国内の生産ラインや建設工事の進捗(しんちょく)に支障をきたすケースも出ている。TDKは「受動部品事業等の中国工場の操業度の低下や中国向け販売が減少」として業績を下方修正した。70社のうち、自動車向け部品や内外装品の生産を主要事業とする自動車関連メーカーの下方修正は25社だ。
トヨタ自動車や日産自動車、マツダなどの大手自動車メーカーが国内外の生産ラインの一部を休止。自動車産業は裾野が広く、重層的な下請け構造が連なる巨大産業だ。国内自動車メーカー主要7社の取引先総数は2万6937社に及び、従業員合計は約946万人、売上高合計は756兆9917億円に達する(東京商工リサーチ調べ)。生産調整は関連メーカーに波及し、下請け企業や小売りなどの販売業者、整備業者などあらゆる業種に…
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週刊エコノミスト
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