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法務・税務 コロナ不況 残る会計士 消える税理士

税理士のミライ 停滞する日本の電子申告=小島孝子

世界遺産のタリン旧市街。最新のIT基盤で支える(筆者提供)
世界遺産のタリン旧市街。最新のIT基盤で支える(筆者提供)

「税理士がいなくなった国」──。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)から流れてくる大量の情報の中から、衝撃的なタイトルを見かけたのは2017年の秋だった。欧州北東部、バルト海東岸に位置するエストニアのことだという。

 そこでは、国内のあらゆる行政手続きが役所に出かけることなくオンラインで完結する。健康保険証、運転免許証、銀行のカード、契約書への署名、選挙への投票などがeID(電子証明書)と呼ばれる1枚のカードで完結する電子国家だというのだ。それは、その前年(16年)に運用が開始された日本のマイナンバーカードの運用計画に類似しているものであった。本稿では、筆者がエストニアに赴き現地で得た情報を基に日本における電子国家化への課題について検討していく。

 まず、「税理士がいなくなった国」の実態について触れておこう。筆者が訪れた現地会計法人では、日本の会計事務所同様に経理業務や税務申告などを請け負う会計士(日本でいう税理士業務と会計士業務を兼務)が多数働いている。つまり、うわさは事実無根であっただけでなく、ベンチャー企業育成に力を入れる当地では会計に携わる者の需要はより一層増えているという。

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