激動マーケット6 銅に供給過剰リスク 価格低迷続く 感染終息後に急騰も=新村直弘
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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界的に広がる経済封鎖の動きが、銅の価格を押し下げている。銅は電線やリードフレームとして自動車や産業機械、住宅といった景気を左右する業種に幅広く用いられるため、その価格動向が景気動向の指標として注目されている。今回、特に大きいのは、世界消費シェアの5割を占める最大消費国である中国の大規模封鎖の影響だ。コロナショックで、世界の銅需給バランスは過去最大の「供給過剰」になると予想される。
銅価格は年初、米中通商交渉の妥結への期待感から上昇傾向にあった。だが、1月上旬から中国での感染拡大が深刻であることが伝えられると、国際指標となるロンドン金属取引所(LME)の3カ月先渡し価格は1トン=6000ドル台から5500ドル台まで値を下げた。中国の新規感染者数の減少が確認されたことで一時的に値を戻すが、中国春節の1カ月後から日本を含む諸外国で感染例が増加し始めると、4月中旬あたりから再び価…
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週刊エコノミスト
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