教養・歴史歴史でわかる経済危機

大恐慌の余波 日本を襲った「生糸ショック」 花形産業一変のインパクト=横山和輝

    桑の摘み取り作業をする人々=1935年
    桑の摘み取り作業をする人々=1935年

     新型コロナウイルスの感染拡大は、「大恐慌以来」といわれるほどの深刻な経済危機を招きつつある。日本経済は大恐慌当時、昭和恐慌に見舞われていた。昭和恐慌そのものは国内の政策判断ミスが招いた側面が否定できない。ただし、米国が大恐慌に陥ったあおりを受けて大きなダメージを受けたのが、日本の基幹産業だった生糸ビジネスである。

     明治・大正時代、日本の産業化を支えたのは繊維産業であり、なかでも主力輸出品となったのが生糸である。主要輸出先の米国では、輸入生糸の6割を日本が占めていた。1909(明治42)年には輸出のみならず生産においても日本が世界第1位になった。だが、重工業品の生産が増したことに加え、ナイロンやレーヨンなど化学繊維のニーズが高まるなかで、生糸は第二次世界大戦後には花形産業ではなくなる。昭和恐慌において生糸ビ…

    残り2085文字(全文2444文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月8日号

    もうかるEV(電気自動車)、電池、モーター14 「電動化」が業績・株価を左右 「次の勝者」探しも活発化 ■神崎 修一/桑子 かつ代/斎藤 信世16 巨人の焦り トヨタから「自動車」が消える日 ■井上 久男18 自動車部品 日本電産が台風の目に ■遠藤 功治20 図解 EV用電池「国盗り物語」 ■編集 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事