経済・企業コロナ危機の経済学

ESG 環境・社会・企業統治で浮かぶ企業、沈む企業=根本直子

グレタ・トゥーンべりさんの登場もESGを後押し(Bloomberg)
グレタ・トゥーンべりさんの登場もESGを後押し(Bloomberg)

 環境、社会、企業統治といった財務数字には反映されない企業の取り組みに注目して投資先を選ぶESG投資は、世界の潮流となっている。2018年の世界のESG投資残高は31兆ドル(約3400兆円)と14年対比で約7割増加した。日本での取り組みは遅れていたが、日本サステナブル投資フォーラムの調査によれば、19年3月末の投資残高は336兆円、前年比45%増と、急速な伸びを示している。

 ESG投資が拡大した理由としては、06年以降主要な投資家が国連責任投資原則(PRI)に加盟したことや、15年に国連で持続可能な開発目標(SDGs)が採択されたこと──などがある。金融危機以後、行き過ぎた資本主義や利益至上主義を見直す動きが広がったこと、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんのような若い世代の間で、投資や消費においてESGを重視する傾向が強まったことなども推進力となってい…

残り2069文字(全文2457文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事