デフレ圧力、再び リーマン上回り過去にない水準に=永浜利広
有料記事
日本のデフレ脱却が遠のきつつある。
安倍晋三政権はデフレ脱却の目安として4指標を重視している。(1)賃金動向を映す「単位労働コスト」、(2)需要と供給のバランスを示す「GDPギャップ」、(3)日本経済研究センターの民間エコノミストによる経済見通し「ESPフォーキャスト調査」、(4)消費増税の影響を除く物価動向を示す「消費者物価指数(CPI)」──だ。それぞれ、2019年前半はそろってプラスとなり、物価が持続的に下落する環境ではなくなっていた。しかし年後半以降、消費増税前の駆け込み需要やその反動などにより単位労働コストとGDPギャップがマイナスに。原油価格の暴落などによって消費者物価指数も20年度以降マイナスに転じる見通しだ。
ESPフォーキャスト調査のGDP見通しを基にGDPギャップを予測すると、新型コロナウイルスの影響で、リーマン・ショック時を上回る大幅マイナスとなる。これによって今後の日本経済に、過去に経験したことのないデフレ圧力がのしかかると予想される。
残り446文字(全文883文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める