NY市場 資金が逃げ場を探す展開=堀古英司
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5月末に米商務省が発表した4月の個人消費支出(PCE)は、新型コロナウイルスの感染拡大と外出禁止などの影響で、前月比13.6%減と、統計開始以来となる最大の落ち込みとなった。一方で個人所得は現金給付などで10.5%増と過去最大の伸びとなっている。外出禁止によって食品や生活必需品以外の目立った支出がなくなる中で、現金給付などで手元資金が増加している状況だ。
更に3月以降の米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融緩和により、マネーサプライ(M1、現金通貨と預金通貨の合計)は10週間で22%増加し、空前の流動性供給となっている。新型コロナウイルスが終息に向かうにつれ、次第にマネーの価値低下を恐れた資金が逃げ場を探す展開が予想される。世界的にゼロ金利となって資金運用難となる中、逃げ場を探す資金は米国の株式市場に流入していくことになろう。
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週刊エコノミスト
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