米中の火種3 ワクチン競争 完成に1~2年 量産で米優位=吉田智
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ワクチンはウイルスや細菌などの病原体そのものを培養するのが伝統的な製造法だが、新型コロナウイルス向けのワクチンでは、「ウイルスベクターワクチン」(コロナウイルスの遺伝情報を挿入した組み換えウイルスを使う)や「RNAワクチン」(ウイルスの「中身」にあたるRNAだけをワクチンにして、病原体を投与したのと同じ効果を引き出す)の開発競争が激化している。これらはウイルスや細菌の培養が不要となるため、大幅な開発時間の短縮が期待できる。
ワクチン開発はこれまで欧州や米国のメーカーが覇権を握ってきた分野だが、今回の新型コロナでは中国の躍進が際立っている。6月18日の世界保健機関(WHO)の発表によると、世界で120以上のワクチン候補が開発中で、13が臨床試験に入った。このうち五つを中国勢が占める(表)。
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週刊エコノミスト
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