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国際・政治 狂った米国、中国の暴走

欧州とロシアこう動く! 欧州 「戦略的自立」目指すもハイテク分野で中国に接近=渡邊啓貴

メルケル独首相(右)、マクロン仏大統領(中央)は習近平国家主席(左)の中国に警戒を強める(Bloomberg)
メルケル独首相(右)、マクロン仏大統領(中央)は習近平国家主席(左)の中国に警戒を強める(Bloomberg)

 米国は欧州に対して歴史・文化面では敬意を表しているが、冷戦時代以来、軍事力の優位を自認し、欧州防衛には自分たちの力が不可欠と考えている。一方、中国にとって欧州はユーラシアを通した経済的きずなを強めたい地域である。米中摩擦の文脈では米欧で対抗されないように関係を常に強化したいのである。

 その欧州は、折あるごとに「米国は欧州を同盟から切り離す」のではないかと心配する。中国に対しては、もともと広大な市場としての中国への期待はあった。しかし、習近平政権の「一帯一路」構想以後は警戒感を強め、旧東欧諸国11カ国を含む中国の「16+1構想」(2019年ギリシャが加わり「17+1」)を脅威と見ている。

 欧州連合(EU)は16年に発表したグローバル戦略で「戦略的自立」をうたっている。米トランプ政権成立を契機にその意気込みを最も強く示しているのは独メルケル政権である。マクロン仏大統領の提唱した「欧州防衛軍構想(PESCO)」や銀行同盟などはEUの統合と同時に自立性を強める。

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