オンライン診療 コロナ禍で患者殺到も情報量の少なさに課題=君塚靖
有料記事
新型コロナは患者だけでなく、診察する医療機関側にも多大な影響を与えた。
「横診(よこしん)」なる非接触の診察スタイルを編み出したのは、都内の医療法人社団いつき会ハートクリニック(東京・葛飾区)の佐藤一樹院長だ。ある日、定期受診している患者から、「先生に診てもらいたいが診療所の中に入るのが怖い」という切実な訴えがあった。そこで、診療所が入居するビルの横の外階段に患者が待機、院長がフェースシールドをした上で、診療所の内側から扉を開け、外で待つ患者を診察することにした(イラスト)。佐藤院長は相撲観戦によく行く好角家で、「横審(横綱審議委員会)」にちなんで名付けた。
「横診」は対面診療が基本の日本で、医師と患者双方が感染リスクを下げるための苦肉の策だった。しかし、政府が緊急事態宣言を発令した4月7日、医療提供体制を強化するためにオンライン診療の規制緩和を盛り込んだ新型コロナウイルス感染症緊急経済対策を閣議決定したことで、現場の様相が変わり始めた。
残り1981文字(全文2405文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める