デジタル化による変革 富士通・NECが復活 外部人材を積極登用=種市房子
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事業統廃合や経営不振にあえいだNEC、富士通がデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル化による事業・企業変革)を追い風に好調だ。両社には「DX」と「外部人材登用」という二つのキーワードが共通している。
NECの2020年3月期の連結最終利益は999億円。前年同期比152%増という驚異的な伸びで、23年ぶりに最高益を更新した。19年に買収したデンマークの大手IT企業「KMD」連結化や、ウィンドウズ7サポート終了によるパソコン買い換え特需という20年3月期ならではの増益要因があるが、高速無線通信5G関連の光通信向け設備や、医療・自治体向けを中心としたITシステムの売り上げ増が寄与した。18年に実施した3000人規模の人員整理や不採算事業の見直しなども寄与した。
富士通も同時期の連結最終利益は同53・1%増の1600億円。過去最高益(18年3月期の1693億円)に迫った。こちらもウィンドウズ7サポート終了によるパソコン特需もあるが、官公庁・民間へのITシステムの売り上げ増が寄与した。同社は15年ごろから、半導体や携帯電話端末製造など大量生産・納入で勝負するビジネスを「価格変動が大きい」として縮小し、付加価値の高い事業を拡大する方針を掲げている。ITシステ…
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週刊エコノミスト
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