新興国 貧困の改善へ実験活発 ブラジルで「家族給付」導入=山森亮
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新興国の一部でベーシックインカム(BI)の給付実験が活発だ。ナミビアでは2008~09年、インドは11~13年、ケニアでは16年から実施されている。背景には、バングラデシュのグラミン銀行をはじめとする無担保少額融資の取り組みが成功していること、貧困対策としての間接的な補助金政策が必ずしも効果を上げていないことなどがある。
ブラジルでは04年、労働者党ルラ政権の下、「市民ベーシックインカム法」が成立し、全国民が国からBIを受給する権利を持つことになった。給付は最も困窮している人たちから始まり、段階的に給付対象を広げる仕組みだ。その第1段階として導入された「ボルサ・ファミリア(家族給付)」は、子どものいる低所得家庭に配られているが、ブラジル総人口の約3分の1にあたる約6000万人が受給している。
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週刊エコノミスト
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