住宅政策が作った“空き家大国”/54
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日本には、他国に当たり前のようにある「住宅総量目標」「住宅総量目安」といった目標値がない。このまま住宅数全体をコントロールしなければ、団塊世代を中心とする人口ボリューム層が徐々に減少していく中で、空き家の大幅増加は必至。空き家数は2030年には今より倍増し、2000万戸に到達するのはほぼ間違いないだろう。
なぜこのような“空き家大国”になってしまったのか。日本は第二次世界大戦の敗戦で焼け野原になった後、奇跡的ともいえる経済復興を遂げ、一気に先進国の仲間入りを果たした。まずは鉄鋼・石炭などに人・モノ・カネを投入する「傾斜生産方式」といった政策で産業復興の糸口を見いだしつつ、朝鮮戦争による経済特需を経て、1954年の鳩山一郎内閣のころから20年ほど続く高度経済成長期に突入する。60年には池田勇人内閣が…
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週刊エコノミスト
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