中銀の「禁じ手」が招く超円安、輸入物価高騰=熊野英生
安倍晋三首相は、コロナ対策のために2020年度第1次・第2次補正予算を打ち出したとき、「過去最大の事業規模だ」と誇らしげに語った。普通の国なら、税収の当てのない巨大な歳出増になることは、国債価格下落、長期金利上昇への警戒から首相が積極的にアピールすることはしないだろう。
日銀は、イールドカーブ(利回り曲線)操作(YCC)を実施して長期金利をゼロ%にくぎ付けにする対応を取っており、それが政府にとって金利上昇を警戒せずに資金調達できる役割を果たしている。財政拡張を日銀が側面支援している格好だ。
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週刊エコノミスト
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