米銀は第2波到来で“崖っぷち”に=廉了
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米銀の貸し出しが、近年まれな勢いで激増している。5月の法人貸し出しは前年同月比3割増(図)。背景には新型コロナウイルスの感染拡大で、政府と中央銀行が企業の資金繰り支援を未曽有の規模でしていることがある。
米政府は、中小企業向けの公的融資枠を約7000億ドル(約75兆円)確保。米連邦準備制度理事会(FRB)は、大企業が発行する社債、コマーシャルペーパー(CP、短期社債)、ローンを買い取り、公的融資枠に関し米銀の流動性を支援する枠組みも新設した。さらに利下げや量的緩和の実施で、米企業の資金繰りは安定し、世界的に株価は上昇した。
ただ、こうした施策は当面の危機を回避する一時しのぎに過ぎない。コロナの悪影響が長引けば、巨額損失が発生する企業が相次ぐ懸念がある。実際、米企業の格下げは続出。経済危機下での融資拡大は、一定額は政府やFRBが損失負担するとはいえ、不良債権が急増するリスクがかなりある。
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週刊エコノミスト
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