欧州 7500億ユーロの復興基金 グリーンやデジタル化に活路=吉田健一郎
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新型コロナウイルスの感染拡大により、ユーロ圏経済は深刻な景気後退に陥った。3月初旬から約2カ月にわたり欧州各地で行われた封鎖措置の結果、2020年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比3・6%の大幅なマイナス成長となった。4〜6月期も同10%以上のマイナスが確実視されている。欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会は、7月に発表した世界経済見通しの中で、20年のユーロ圏GDP成長率をマイナス8・7%と予測した。
産業別には、運輸、ホテル・外食、旅行、教育、芸術・文化、スポーツ・娯楽といったサービス業が封鎖の影響を最も受けた。米グーグル社が発表している、自宅以外の場所に居た時間を平時と比較したモビリティー(交通移動量)に関するデータをみると、フランス、イタリア、スペインの3カ国ではモビリティーが一時、平時と比べて約8割低下した(図1)。サービス業の中でも外出が前提となる業種が最も大きな影響を受けた。
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週刊エコノミスト
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