週刊エコノミスト Online小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

物事の白黒がつけられず困っています/44

 Q 物事の白黒がつけられず困っています

 A 何粒の砂から砂山と呼べるか。その基準を自分で決めてみる

 よく態度が煮え切らないとか、曖昧だと言われます。何事についても自分でもどっちもアリだと思ってしまって、なかなか白黒つけられません。どうしたらいいのでしょうか?

(物流業界勤務・43歳男性)

 物事はなんでもそう簡単に白黒つけられるわけではありませんから、たしかに曖昧だと言われると困りますよね。哲学の世界には「砂山のパラドックス」という考え方があります。つまり、砂山から砂を1粒ずつ取り除いていった時、いったいそれが砂山でなくなるのは何粒目からかという話です。砂山の基準などないので、たった1粒でも砂山になってしまいますよね。これはどう考えてもおかしな話です。

 同じことは禿(は)げ頭にも当てはまると言います。たしかに、毛が何本以下になったら禿げだと分類してしまうのは難しいですよね。つまり、どんな物事も結局は曖昧で、曖昧さから逃れることはできないということです。

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