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マーケット・金融 「安倍から菅へ」

マーケット展望 ドル・円 不況時の円買い復活で年末90円台突入=宇野大介

 コロナの収束時期を予測するのは難しいが、当面は世界経済への悪影響が残る。コロナ禍が生んだ新しい生活様式は、景気の減速をもたらし、経済規模は縮小を余儀なくされるだろう。

 世界経済が不調の時、各国は限られた外需を獲得するため、輸出に有利な通貨安を望む。自国通貨を売るためには対になって買われる通貨が必要だ。従来その役目を担い、通貨高に見舞われてきたのが日本円だ。

 これを変えたのが第2次安倍晋三政権である。日本の弱点とされていた「短命政権」を克服して政治の安定をもたらし、デフレ脱却を掲げ大規模な金融緩和により他国にメリットを与えることで「通貨安」を主張できる立場に変わった。安倍首相の辞任後も、次期総理が経済金融面で安倍路線を踏襲するという期待感から、新政権が発足してからしばらくは、1ドル=107円台まで円安に進む場面もあろう。

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