東京市場 ストラテジストが読む 家庭食シフトで食品株に明暗=藤戸則弘
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食品セクターは一般的にディフェンシブ(防御)株と呼ばれる。景気変動の影響を受けにくく、安定的な収益を上げることから、特に景気後退局面では、薬品株と並んで評価されることが多い。
ところが、今回の新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)は、この食品企業の株価にも大きな格差をもたらしている。食事の行動パターンでは「外食から家庭食」に移行する動きが鮮明化しており、「まとめ買い」の対象となる製品を扱う企業の株価が突出して好調なのが特徴だ。
例えば、TOPIXの食品セクターを見ると、年初来の上昇率ランキングでは、日清食品ホールディングス(HD)、東洋水産というカップ麺メーカーが1位、2位を占めている。また、飲料関係のカゴメ、伊藤園や、乳製品・菓子関連の明治HD、森永乳業、井村屋グループなどもベスト10位前後にランクインしている(9月4日時点)。典型的な「家庭食シフト」が株価に反映されているといえそうだ。
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週刊エコノミスト
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