身近なデータの読み方:自粛3カ月で「国民の現預金」が1人20万円増えたワケ
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今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出自粛が求められていることに伴って、お金を使う機会も減っている。一方、1人10万円の特別定額給付金が支給された。こうした中、人々が持つ現金・預金の金額は、過去最高を更新しているという。今回は、人々が持つお金の動向についてみていこう。
過去最高の1031兆円
日銀は、四半期ごとに企業、家計、政府などの金融取引や金融資産の保有額を「資金循環統計」として公表している。それによると、2020年6月末時点で家計の現金・預金の金額は、過去最高の1031兆円に達した。平均して、国民1人当たり800万円以上の現金・預金を持っていることを意味する。この金額は、00年6月末時点で751兆円だった。この20年間で280兆円増加した。
家計の現金・預金は、今年3月末時点で1000兆円だったので、4~6月の3カ月間で31兆円増加した。国民1人当たりで20万円以上増えたわけだ。5月から始まった特別定額給付金による増加分のほかに、10万円以上も増えたことになる。なかには働く時間が制限されたり、職を失ったりして収入が減った人もいるはずだが、そうした減少分を差し引いても全体では増加した。コロナ禍で緊急事態宣言が出ていた時期に、いかに消費…
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週刊エコノミスト
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