脳梗塞 ヘリオスの細胞治療など新薬開発の「戦国時代」=都築伸弥
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脳梗塞(こうそく)は、意識障害や言語障害を引き起こすだけでなく、年間死亡者数約6万6000人と推定される命に関わる病気の一つだ。脳梗塞の治療では現在、発症から4.5時間以内であれば動脈の詰まりを溶かす「血栓溶解療法」(rt-PA)、発症8時間以内であれば、血栓をカテーテルで除去する「機械的血栓回収療法」(直近では24時間以内に適応拡大した製品も存在)などが実施されている。
現在の標準的な治療である血栓溶解療法は、血栓を溶かして血流を再開することで脳の細胞が死なないようにする療法だが、出血などの副作用リスクがあり、適応時間が短いため、投与可能な実際の患者数は脳梗塞全体の1割にも満たないとも言われている。また臨床試験においても偽薬群に対して目立って良い結果が得られているとは言い難く、有効な治療薬の開発が望まれていた。
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