45億年前に誕生した月 地球から飛び出した破片が集合/24
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月は今から45億年前に地球から飛び出して誕生した。地球は太陽系初期の46億年前に誕生したので、わずか1億年後の事件である。現在の火星ほどの巨大な天体が地球に衝突し、そのエネルギーによって地球の表面は非常に高温となり、破片が四方八方へ飛び散った(図)。
宇宙に飛び出した最大の破片が、地球の引力によって周囲を回り始める。これらの破片が集まってできた最大の物質が月なのである。こうした成因は「ジャイアントインパクト説」と呼ばれ、1984年に提唱された。その後、破片が集積して月を形成するシミュレーションが行われ、1カ月から1年後に現在の姿で月が地球を周回できることが分かった。また地球が衝突後に現在とほぼ同じ大きさになったことも確認された。
月は同じ面だけを地球に向けながら回っている。月も地球も自転しているが、勝手に回ってもよさそうなものなのに正確にシンクロしている。すなわち、月が自転する周期と、月が地球を1周する周期がまったく同じなのである。
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週刊エコノミスト
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