リスク7 円高 来年後半に100円割れへ=佐々木融
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ドルの全体的な動きを示す名目実効レート(貿易量で加重平均)は、3月半ばごろをピークにその後は下落トレンドをたどっている。ドルのピークは米株価のボトムのタイミングと一致している。
3月半ば以降の約7カ月間、米S&P500株価指数は50%以上上昇し、ドルの名目実効レートは8%程度下落した。この間の主要通貨のパフォーマンスをみると、ドル独歩安であり、次に弱いのが円だ。つまり、株価上昇、いわゆるリスクオンの環境下で円も弱かったが、ドルの方が弱かったため、ドル・円は1ドル=111円台から104円台まで円高が進んだ。この間強かったのはノルウェー・クローネ、豪ドルなどで両通貨とも対ドルで20%以上上昇している。
今回のコロナ禍のように大きな経済的ショックが発生し、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利(FF金利)をゼロにした結果、その後のショックからの回復過程でドル安主導で円高方向に進むのはリーマン・ショック後の2009年3月から11年7月までの2年強の期間と同じ展開だ(図)。
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週刊エコノミスト
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